学科概要

沿革

本学科の前身である健康科学・看護学科では、健康に関する様々なアプローチを学び、次世代の健康科学を担う優れた研究者、職業人の育成を図ることを目的に、幅広い教育研究活動を行ってきました。

特に最近、健康に関する社会的な要請はますます高まりをみせてきており、単なる健康維持や増進のための技術的な対応ではなく、人間の健康を、成長発達、疾病の原因の探索と予防・治療、さらに健康という事象の本質までを含めて幅広く科学的に解明し、探究することが求められています。すなわち人々の健康について「人間を対象とした生命科学・生物学的研究」、「人間の生物学的側面を重視しつつ社会のしくみを考える研究」、「健康の保持と回復を支援する方法の開発・研究」などの多様な側面からの展開が、これからの大きなテーマであり、今後、これら多様な要請等に対し、柔軟かつ主体的に行動できる、新しいタイプの「健康科学」分野の人材が一層求められています。

そこで、これまで進めて来た基礎生命科学、社会行動健康科学、看護科学などの「健康科学」分野の本質的な探求とともに、これらの知識・技術等を複合的に身に付けるという教育方針をより明確にし、将来の健康科学分野を志向する優秀な人材を積極的に受入れ、高度な教育を行う東京大学によりふさわしい健康科学の教育組織としてのさらなる充実を考えました。そこで、個別の健康科学の集合体ではなく、健康に焦点をあてた総合科学としての「ヘルスサイエンス」教育の一層の推進をめざす目的で、平成22年度より「健康総合科学科」と名称を新たにし、大きな展開をめざします。

年表

事項
昭和28年 医学部に衛生看護学科が設置・全国で2番目の4年制大学内の看護系学科となる.
専門課程教育は主に附属病院分院のあった小石川キャンパスであった.
昭和39年 生物系研究科に衛生看護学専門課程修士課程が設置される.
昭和40年 保健学科に名称変更.人類生態学・疫学・保健栄養学・看護学・保健社会学・成人保健学・母子保健学・精神衛生学の8講座が置かれた.
生物系研究科医学専門課程が医学系研究科となり,衛生看護学専攻は保健学専攻と改称された
昭和41年 保健管理学講座が増設され,9講座となる.
保健学専攻に博士課程設置.
昭和42年 医学部3号館が竣工.
昭和44年 カリキュラムが変更され,卒業論文が導入.
昭和58年 医学部3号館別棟完成
昭和59年 保健学同窓会設立
昭和60年 保健学科創立20周年式典
平成4年 健康科学・看護学科に名称変更.
成人保健学,精神衛生学,看護学の各講座が,それぞれ成人保健・看護学,精神衛生・看護学,基礎看護学へと改称.地域看護学,家族看護学の2講座を新設.健康科学担当7講座と看護学担当4講座の体制となる.
看護短期大学からの編入学制度を導入.
大学院に国際保健学専攻が設置される.
平成8年 大学院重点化構想に基づく大学院講座制への移行に伴い,保健学,国際保健学専攻(独立専攻)が廃止され,それぞれ健康科学・看護学,国際保健学専攻へと改組.健康科学・看護学専攻内の複数の講座がそれぞれ2つの専門分野に分かれる.健康科学・看護学科は学部教育に責任を持つ組織となる.
平成14年 医学部附属看護学校および助産婦学校が閉校となる.
母性看護学・助産学および老年看護学の両分野が新設される.
平成15年 旧看護学校・助産婦学校校舎が医学部5号館と改称し,看護系5講座が移転する.
助産師学校の指定をうける.
学科50周年式典を開催
平成22年 健康総合科学科に名称変更.