学科概要

学科長挨拶

東京大学医学部健康総合科学科のホームページにお越しいただき、ありがとうございます。

健康総合科学科は、文字通り健康を総合的に学ぶ学科です。健康に関する学問というと、多くの方は臨床医学を真っ先に思い浮かべられると思います。もちろん臨床医学が重要であることは言うまでもありませんが、臨床医学以外にも健康にアプローチできる、そして健康のために必要な学問分野はたくさんあります。健康総合科学科には、そのような14の学問分野が集まっています。

学科は3つの専修に分かれています。生物としての「ヒト」を対象とする環境生命科学専修、主観性や全人性をもつ「ひと」を対象とする看護科学専修、集団としての「人」を対象とする公共健康科学専修です。そして、この3つの専修がそれぞれの専門性を持ちつつ他の立場からも学び合っています。

環境生命科学専修には、人類生態学、人類遺伝学、生物医化学、母子保健学の研究室があります。個体としてのヒトの健康事象を把握するために不可欠な人間生物学、その個体を構成要素とする臓器・細胞・分子レベルにおける生命科学、さらに人間の集団が活動する場となる人間・生態系に関する環境学の習得を目指しています。また、国際保健学専攻の大学院も担当しており,グローバルな健康課題への貢献も目指しています。

看護科学専修には、成人保健・看護学、母性看護学・助産学、老年看護学、基礎看護学、地域看護学、家族看護学、精神衛生・看護学の研究室があり、看護師免許の受験資格を得ることができます。さまざまなひとが最期まで幸福に人生を生ききることができる社会の実現に向けて、看護実践の知を集積し、より良い看護ケアシステムの創出に貢献しています。また、健康科学・看護学専攻の大学院も担当しています。

公共健康科学専修には、疫学・生物統計学、医療倫理学、保健社会学、精神衛生・看護学の研究室があり、人の健康にかかわる社会医学領域の研究が行われています。社会が人の健康に影響するメカニズムの解明や、予防法の開発とその社会実装など、社会と直接つながる研究が多く行われているのがこの専修の特徴です。また、公共健康医学専攻の大学院(School of Public Health)ならびに健康科学・看護学専攻の大学院も担当しています。

東京大学1年生・2年生のみなさん、

健康総合科学科は、健康について幅広く、そして深く学ぶことができる学科です。 健康はすべての人間に関係するものであり、人類の最大の関心事の1つと言っても過言ではありません。この学科で学ばれることや、ものの考え方は、みなさんが今後どのような道に進まれても、必ず活きると思います。また、先輩・後輩の垣根が低いことや、学生数に対して教員数が多いことも、当学科の魅力と言えるのではないかと思います。

みなさんと健康総合科学科で一緒に学べることを、教員一同、楽しみにしています。

健康総合科学科 学科長
西大輔