教育・研究
地域看護学教室 (地域看護学/公衆衛生看護学分野)
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沿革と組織の概要
地域看護学教室は1992年に発足し、1998年に地域看護学分野と名称が変更された。2014年度から大学院修士課程での保健師教育コースが開設され、本分野が課程の責任教室となっている。
教育
本分野ではリサーチマインドを持つ保健師と保健師マインドを持つ研究者の育成を目指している。学部教育では、地域で生活している個人、家族、特定集団を対象に、健康増進、疾病の予防と回復、日常生活や社会生活への適応を図るための方法論と基盤となる理論について講義する。本分野では、医学部健康総合科学科の看護科学専修の学生に、在宅看護論、地域看護学、在宅看護学実習の教育を行っている。大学院教育では、地域看護学特論I、II、地域看護学演習I、II、同実習I、II、を担当し、また、保健師教育コースの科目として、支援技術論I、 II、公衆衛生看護学I、II、III、IV、V、VI、行政看護学/行政看護学特論、公衆衛生看護学実習I、II、の教育を行っている。そのほか、学部学生の卒業論文、大学院学生の論文指導に個別にあたっている。
研究
本分野では、地域で生活している人々や在宅療養者の看護ニーズを、個別的に、また家族や集団、地域全体としてとらえ、健康やQOLの向上に寄与することをめざした研究を展開している。少子高齢社会では,高齢者の自立支援や介護予防の取り組みと共に,心身に障がいのある人々が住み慣れた地域で,生活を維持できるような地域ケアシステムを作ることも重要である。一方,子ども達が,健やかに発育・発達できるように地域全体で支援することも求められている。本分野が取り組んでいる研究は、このような社会や時代のニーズに対し、暮らしやすい社会を作ることに貢献している。厚生労働科学研究費や文部科学省科学研究費等のほか、民間の財団からも助成金を得て研究を実施している。
本分野において進行中の主な研究プロジェクトは以下の通りである。
- 実践の改善・ケアシステム構築に関する課題
ICTを用いた保健師活動アルゴリズム及び評価手法の開発、地域包括ケアシステムの開発などを行っている。
- ライフステージとそれに関連する課題
乳幼児の傷害予防、地域での認知症教育プログラム普及など、地域住民の健康を守るためのプログラム開発・評価を行っている。
- 専門職の能力・技術の開発等に関する課題
保健師による施策化・事業化、保健師の技術・暗黙知の解明などに関して研究している。
- 従来の枠組みに当てはまらない先端的な課題
VRを用いた看護師/保健師学生向け家庭訪問学習教材の開発と評価を行っている。
- 「乳児の股関節脱臼の見落としゼロ」プロジェクト
新生児・乳児の股関節脱臼の見落としゼロを目指すために、新生児訪問を担う保健師や助産師によるスクリーニング体制構築と、早期治療に向けた多職種・住民協働型システム開発を、看護学・医学・工学で連携し進めている。