教育・研究
3つの専修
環境生命科学専修
本学でも数少ない「人間の生物学」を学べる専修です。個体としてのヒトの健康事象を把握するために不可欠な人間生物学、その個体を構成要素とする臓器・細胞・分子レベルにおける生命科学、ならびに人間の集団が活動する場となる人間-生態系に関する環境学の修得を目標とします。分子から集団に至る全ての階層において、人間(ヒト)には他の生物にはない様々な特徴があり、それらを修得することは健康以外の多くの分野にとっても有用であることは間違いありません。科目を担当する多くの教室が国際的研究を進めており、国際的雰囲気に触れやすい環境でもあります。
卒業後の進路として進学・就職いずれを選ぶにせよ、この分野の国際的なリーダーとなって牽引する役割を担う人材を養成することを目指しています。大学院に進学する場合、健康科学におけるジェネラリストの視点を身につけた生命科学・人間生物学分野の研究・教育者として国際的に活躍することが期待されます。就職する場合も人間にかかわる生命・健康・環境の知識・技術という専門を活かせる場所は数多く、企業(製薬・食品・バイオ・環境)や国・自治体の行政職、民間シンクタンク、マスメディアなどの道が開けています。
公共健康科学専修
人を取り巻く社会的な環境を踏まえて、1)人の健康課題を抽出し、2)健康を計量的・質的に把握して、行動・医療保健サービス・社会制度・規範との関連を解明し、3)科学的方法論に基づいて疾病予防や治療・健康増進を進めることを通じて、人々の健康と幸福に貢献できる実務者および研究者を養成します。具体的には、医学・疫学研究のデザインやデータ分析の方法論、治療や予防の効果検証手法、疾病の社会的負担や保健医療政策の分析手法、健康の社会・行動的要因の測定・分析方法、調査の設計と実施、そしてデータに基づく対策や提言の立案・実践手法等を学びます。これらを応用し、グローバルな健康課題に対応し、リーダーシップを発揮できる人材を養成します。
卒業後の進路としては、保健・医療・福祉に関連した国や自治体の行政職、マスコミ、出版、シンクタンクなどの民間企業への就職があります。また関連する大学院に進学し、専門的で高度な知識・技術や研究遂行能力を身につけ、教育研究機関、NPO、行政、民間企業、国際機関などへの就職実績があります。
看護科学専修
看護科学とは、生命科学を基盤に、対象者をミクロおよびマクロの視点で捉え、それらを取り巻く社会環境との関連で科学し実践する学問です。具体的には、生命科学実習あるいは健康科学調査実習、マネジメント能力養成のための実習および国際保健の現場における実習を通して広く健康に必要な実践力を備えます。その上で、人の健康増進・維持・回復を目的とした場での実習を行います。このように看護科学を基礎科学から臨床技術まで構造化した学問体系を教授し、従来にない新しい看護科学の発展に寄与します。さらに、グローバル化を促進しつつ日本の優れた看護学を世界に発信します。
卒業後の進路として、実践現場では、独立して専門的な看護を提供する実践家、マネジメント能力を活かした看護管理者、さらには世界保健機関などの国際機関における専門職や企業での健康情報管理者などがあります。また、大学院に進学する学生については、大学院修了後に大学・研究所など健康にかかわる専門家として日本の看護科学を牽引するのにとどまらず、国際的に活躍する研究・教育者となるよう指導します。
看護科学専修ウェブページ
https://utokyonursing.m.u-tokyo.ac.jp/nurse/