学科生の声

学科生活の紹介(公共健康科学専修)

はじめまして、健康総合科学科3年の近藤雅大です。2018年度の4月から公共健康科学専修になりました。ぼくの通っている学科について紹介していきます。

いきなりですが、健康総合科学科にはどんな学生がいると思いますか。

「看護師を志している人」

「医師になりたいわけではないけど医療に関わりたい人」

「なんとなく楽しそうだからきた人」

きっと様々なイメージがあると思います。ぼくは、実際に顔合わせをするまでは「医療系だし、理科2類から進学してくる人が多いのかな」「生物系の人がほとんどなのかな」と思っていました。ただ実際に顔合わせをして、学科のみんなのことを知っていくと、非常に多様なバックグラウンドを持っていることに驚きました。理科2類から進学する学生が多いのですが、文系から進学する学生も珍しくありません。

大学を1年間休学して、課外活動に取り組んでから本学科に進学した人、いちどは他学部に進学したものの転学部をしてきた人もいました。

また、課外活動も人それぞれで多様です。早い時期から研究室に通う人もいれば、部活動で活躍している人、サークルに熱心に取り組んでいる人、インターンをしている人などもいます。学科の授業を受けつつも、残りの時間を使い、したいことができる学科です。

健康総合科学科では、理系・文系問わず、様々な背景を持つ人が集まる学科にもなっています。普段の授業では、他の学科、学部と共同のものは少なく、本学科の学生だけで受けるものがほとんどです。教室も大教室で行うのではなく、いつも同じ小さめの教室で受けるため自ずと学生同士で仲良くなります。まるで高校のクラスのようです。

 

本学科の授業についても少し紹介していきます。

2年生の秋学期では、オムニバス形式の授業も多いです。授業をして下さる先生方は東京大学に務める以前に発展途上国で活動されていたり、WHOで活躍されていたりするので、貴重なお話を聞くこともできます。

授業の形式は、先生が前で講義をして下さるものもありますが、学生同士で少人数ディスカッションをするものもあります。例えば、A2タームで金曜日の1,2限に行われた「生命・医療倫理Ⅰ」では1限に講義形式で学んだ後、2限では4〜5人のグループに分かれてディスカッションを行い、最後には全体で発表します。

例えば、次のようなテーマでディスカッションをしました。

「あなたは政府の医療扶助プログラムを決定する責任者です。現在、低所得者向けに大腸がんを早期発見する検査について考えています。今回は、大腸がんになるリスクの低い人を対象に行いますが、予算の関係もあり以下の2つの選択肢から選ばなくてはいけません。

A:安価なため対象者全員に対して行えるが、能力が低く1000名の死亡が予防できる。

B:ランダムに選ばれた対象者の半数に行うが、能力が高く1100名の死亡が予防できる。

検査Aと検査Bのどちらを実施するべきか、支持する理由とともに答えなさい。」

唯一無二の答えがないような問いに対して、授業で学んだことを踏まえてディスカッションをします。授業の終わりには、専門家である先生の考え方を知ることもできます。

「生命・医療倫理Ⅰ」に限らず、ディスカッションをしたり、グループワークをしたりする授業があります。

 

3年生になると、少しずつ各専修に分かれた専門的な授業も始まります。公共健康科学専修での専門的な授業では、「生物統計学実習」や「精神保健学実習」などがあります。

生物統計学実習」では、今まで学んだ生物統計学を生かして模擬臨床試験を行います。「カフェインを飲むと計算能力が向上するのか」ということを確かめるために、受講者の半分がカフェインレスのコーヒー、もう半分がカフェインの入っているコーヒーを飲んで計算テストの結果に差がみられるのか統計学的に調べました。

「もともと計算が得意な人と不得意な人の偏りがなくなるようにはどうすればいいのか」

「計算能力の差がみられるのは、カフェイン摂取後どれくらい時間経過したときか」 「計算テストは、どんなものにするのがいいのか」

などを考えながら模擬臨床試験のデザインを行いました。

また、大学の外に出て行う実習もあります。 7月に行われた「精神保健学実習」では、精神保健福祉活動をしている現場を見学させていただきました。受講者の希望に応じて、就労支援の場や企業、NPO法人などに行かせて頂いたり、病院を見学したりしました。実習の中で当事者の方とお話することもでき、教室の中だけでは学ぶことのできない現場の声を聞くことができました。

 

健康総合科学科の学生や授業について紹介してきました。

少しでも参考になれば嬉しいです。