学科生の声

卒業生の声

2016年度卒業
文科二類出身 
宏和

「東大卒の看護師」にプライドを持って。

高石さんは、本学科の看護学コース(当時)を卒業後、北海道立子ども総合医療・療育センターに就職。PICU(小児集中治療室)で、看護師として勤務されています。

この学科を選んだ理由

駒場生だった頃、キューブラー・ロスやアルフォンス・デーケンの著作を読んで、「臨床死生学」という分野を知りました。そこで私は「亡くなる瞬間に、人は何を考えているのか」に関心を持ったんです。その疑問の追究のために、臨床現場で人と関わりたいと考えるようになりました。

健康総合科学科について知るようになったのは、駒場で受けた、健康総合科学科の先生方が週替わりで行う講義がきっかけです。学科の雰囲気を知り、魅力を感じました。従来からの、臨床現場に行きたいという思いもあり、健康総合科学科で看護の道を志そうと思いました。

学科進学後、卒業論文の制作にあたっては、家族看護学教室を選択しました。以前から抱いていた終末期分野への関心が、亡くなる方自身への関わりだけでなく、残された家族との関わりやケアに広がっていたのです。加えて私は、もともと、子どもの発達に関心をもっていました。ですから、家族・小児について学べる家族看護学教室は、私にぴったりだったんです。卒業論文では、小児がんを経験した20代の人を対象に、質的研究を行いました。

 

今の仕事と、学科で学んだことのつながり

終末期に関心があった私が小児科を志望したのは、家族看護学教室でお世話になった先生の言葉があったからです。小児看護に特有の細やかな看護の経験は、後々成人看護分野で活躍する際にもきっと役立つと言われ、確かにそうだなと思い小児看護の道に進みました。

現在は、北海道立子ども総合医療・療育センターのPICU(小児集中治療室)で看護師として勤務しています。学科で学んでいた頃は小児がんに関わる機会が多かったのですが、現場ではそれに限らず広範囲の対応をしています。

 

自分自身の今後の展望

学生の頃に関心を持っていた患児と家族の関わりについても、問題意識を持ち続けています。私の職場では、家族と看護師の関わりは、患者さんが一般病棟に移った後に充実させていくことが多いのですが、この頃はPICU入院中からより積極的に家族と関われないか考えるようになりました。今は現場で役割を果たしながら自分にできることを探っている段階ですが、いずれ病棟の仕組みとして整えられたらと考えています。

 

進学を考えている(悩んでいる)人へのメッセージ

健康総合科学科には、様々な分野のスペシャリストの先生がたくさんいます。ぜひ一緒に学んで、最先端の知識を身に着けてください。

特に、健康総合科学科で看護の道を目指す人に伝えたいことがあります。それは、「東大卒の看護師は、目立つ」ということです。良くも悪くも、周囲から注目されて、プレッシャーを感じることもあるかもしれません。しかし、驕らずに学びを続けていけば、いつか看護界のリーダーとして活躍できるでしょう。健康総合科学科には、それだけの教育をしてくれる、熱意とパワーのある先生方が揃っています。ぜひ「東大卒の看護師」であることを前向きに捉え、プライドをもって、現場に羽ばたいていってください。

(インタビュー:2020年 所属・学歴等の内容はインタビュー当時のものです。)