学科生の声

卒業生の声

2005年度卒業
理科一類出身 

現場・企業・研究を繋ぐ、新しいものづくり。

高野さんは、2005年度に本学科の健康科学コース(当時)を卒業後、一般企業に入社。介護関連の仕事をされました。2012年度、健康科学・看護学専攻の修士課程に進学され、老年看護学分野にて修士号を取得。2014年度、学士入学制度を利用して健康総合科学科に再入学され、看護師国家試験の受験資格を取得、看護師国家試験に合格されました。2016年度から、株式会社モルテンにて勤務されています。

この学科を選んだ理由

理科一類に入学した私は、新しいことが勉強できそうなワクワク感に惹かれて健康科学・看護学科(当時)に進学しました。学部時代は看護師資格を取ろうか迷いましたが、一般企業への就職に興味があったこともあり、健康科学コースを選択しました。

卒業後は介護の現場などで働き、介護福祉士の資格も取得したのですが、大学で学んだことをうまく実践につなげられず、もどかしい思いをしたんです。勉強し直したいと思い、本学の修士課程に入学しました。その後、博士課程に進むか学部で看護の勉強をするか迷いましたが、学部で看護の勉強をすることに決めたのは「今後仕事の中で看護師と関わることがあるだろうから、自分も看護師の資格を取りたい。そのタイミングは今しかない」という思いがあったからですね。

 

今の仕事と、学科で学んだことのつながり

まず学科の時の経験からお話ししますと、企業の方と関わりながら卒業論文の研究をしたことが大きいです。研究は、寝たきりの患者様の血行を促進する医療用のマッサージ器の開発に関するもので、私はマウスを用いて研究を行いました。その成果を活かした製品は実際に製品化されています。この経験を通して、臨床現場と大学での研究と企業の三者が結びつくことの楽しさを感じました。

修士課程でも、企業の寄附講座で研究を行い、ここでも、実際の製品の開発に関わる研究をさせていただいたことで、よりその思いを強くしました。

さらに、学科で看護のさまざまな実習に参加し、看護師資格を取得したことで、現場の視点をより深く身に付けることができました。

今の仕事では、全国各地で行われる看護師をはじめとする医療従事者様向けの褥瘡(床ずれ)対策などセミナーの講師を行ったり、医療・福祉機器の開発を行ったりしています。医療従事者様向けのセミナーでは、看護師の視点を持っていることがとても大切です。また医療・福祉機器の開発でも、効果を研究者の立場から考え、使用者の思いを看護師の立場から考えて、企業の立場で製品開発を行います。このように複数の視点から物事を見ることができるのは、大学で企業と共同研究を行った自分だからこその強みだと感じています。

 

自分自身の今後の展望

私は、看護師であることを活かして、今後も医療・福祉の現場と企業と研究を繋いでいきたいと思っています。

現在の職場であるモルテンは医療・福祉機器の開発・供給などを行っているのですが、看護師の資格を持っている社員は珍しい存在でもあります。看護師資格を持ち現場で看護師と対等に話す、患者様や施設のご利用者様の声をお聞きすることで、現場に求められている新しい製品を作り出せるのではないかと考えています。

製品開発だけでなく、研究の分野でも看護師の視点から考えられるので、より現場にとって役立つ研究ができるのではないかと思います。

 

進学を考えている(悩んでいる)人へのメッセージ

この学科では様々な分野の先生から学ぶことができます。学生も個性的な人が多いですね。一つの出会いが、その後の人生を変えるかもしれません。自分にとっては、3年生の時に受けた講義で見た、日本と北欧の老人施設を比較した一枚のスライドが転機になっています。それがなければ、企業と研究に興味を持つことはなかったかもしれません。あなたも、きっと一生ものの経験ができますよ。

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(インタビュー:2016年 所属・学歴等の内容はインタビュー当時のものです。)