教育・研究

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鵜木うのき 元香もとこ  准教授 Unoki Motoko

所属:東京大学大学院医学系研究科 国際保健学専攻 人類遺伝学
講座:人類遺伝学
E-mail:unokim@m.u-tokyo.ac.jp
Webサイト:https://researchmap.jp/motoko_unoki/?lang=Japanese

略歴

1999年3月
麻布大学獣医学部 卒業
2003年3月
東京大学大学院医学系研究科博士課程 修了
2003年4月
リサーチ・アソシエイト(東京大学医科学研究所)
2004年5月
海外学術振興会特別研究員(米国国立衛生研究所)
2006年4月
博士研究員(米国国立衛生研究所)
2008年5月
博士研究員(理化学研究所)
2010年10月
九州大学生体防御医学研究所 助教
2019年9月
九州大学生体防御医学研究所 准教授
2022年9月
東京大学大学院医学系研究科 准教授

教育

担当授業科目(学部)
人類遺伝学 ╱ 社会医学(人類遺伝)  ╱ 人類遺伝学I、II
担当授業科目(大学院)
人類遺伝学特論II
初学者向け研究紹介
ヒトのゲノムDNAにはおよそ2万個の遺伝子が乗っていますが、それぞれの細胞で全ての遺伝子が使われているわけではありません。どの遺伝子を使って、どの遺伝子を使わないかを決めているのがエピジェネティック制御機構です。私は、大学院生の時にこの機構に関与している重要なタンパク質を見つけて以来、ずっとこの機構のより深い理解を目指して研究をおこなってきました。正常な状態を理解するためには、その状態が破綻した病気を調べることが役に立ちます。これまでに私は、エピジェネティックな制御機構に異常があるICF症候群という病気が起こるメカニズムの解明を通して、DNAメチル化が染色体の安定性を維持するために如何に重要であるかを明らかにしてきました。その過程で、DNAのメチル化を維持することが、実はDNAの損傷を防ぐことにも重要であることを見出しました。これからは、さらにいろいろな病気が起こるメカニズムを明らかにしたり、これまでに分かったことをさらに深掘りして、生命の根幹に関わるさまざまな現象の理解や、それが揺らいだ状態(=病気や老化)の理解を深めていきたいと考えています。

研究

研究分野
ヒト疾患(遺伝病、エピジェネティック疾患)の分子病態機序
現在の研究課題
エピジェネティック疾患並びに染色体安定性維持機構の解明
研究内容キーワード
遺伝病 ╱ DNAメチル化 ╱ DNA損傷修復 ╱ 染色体安定性
所属学会
日本エピジェネティクス研究会 ╱ 日本人類遺伝学会 ╱ 日本分子生物学会 ╱ 日本遺伝学会 ╱ 日本癌学会 ╱ アメリカ癌学会
著書(10件まで)
  1. 鵜木 元香, 新田 洋久, 佐々木 裕之. DNAメチル化酵素異常症. 遺伝子医学MOOK 25「エピジェネティクスと病気」, 株式会社メディカルドゥ, 2013
  2. 鵜木 元香, 佐々木 裕之. 生殖・発生. エピジェネティクスキーワード辞典, 羊土社, 2013
  3. 鵜木 元香, 佐々木 裕之. 生殖細胞形成と個体発生におけるエピジェネティクス. 「エピジェネティクスの産業応用」, シーエムシー出版, 2014
  4. 鵜木 元香(単著). 生まれつきの女王蜂はいない. 講談社, 2016
  5. 鵜木 元香. 佐々木 裕之:もっとよくわかる!エピジェネティクス. 羊土社, 2020
  6. 鵜木 元香. クロマチンリモデリングと染色体安定性〜ICF症候群の分子病態研究から見えてきたこと〜. 月刊「細胞」7月号, ニューサイエンス社, 2020
  7. 鵜木 元香. エピジェネティック制御因子の先天性変異. 医学のあゆみ 「エピジェネティクスと疾患」, 医歯薬出版株式会社, 東京, 2020
  8. 鵜木 元香. DNAメチル化酵素異常症. 遺伝子医学MOOK 36 エピゲノムで新たな解明が進む「先天性疾患」, 株式会社メディカルドゥ, 2021
  9. 鵜木 元香. ゲノム・エピゲノムインテグリティーを守護する蛋白質 ―ICF症候群研究から見えてきたCDCA7/HELLSクロマチンリモデリング複合体の役割―. 月刊「細胞」8月号, ニューサイエンス社, 東京, 2021
  10. 鵜木 元香. ICF症候群, 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用, 技術情報協会, 2022

その他

趣味

旅行、写真、ウォーキングなど(実験と同じで、何かを発見すること)

座右の銘

千里の道も一歩から

将来の夢

生命を理解することで病気を理解し、社会にその知を還元すること

学生への一言

いっしょに生命の不思議や病気が起こるメカニズムを解明しましょう